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局所排気装置

局所排気装置の点検とは|点検の目的や点検項目についても解説

局所排気装置は、作業場で発生する有害物質や粉じんを除去するために必要不可欠な装置です。

有害物質などが発生する工場や実験室では、局所排気装置の設置が義務付けられています。

しかし、長時間使用すると劣化が進み吸気や排気の効果が低下する場合も。

劣化が進んだ局所排気装置を使用し続けていると大きな事故につながる恐れがあります。

そのため、装置の定期的な点検が義務付けられているのです。

本記事では、局所排気装置の導入を考えている方や装置の点検時期が近づいている方に向け、局所排気装置の点検の目的や点検項目について解説します。

局所排気装置とは?


局所排気装置とは、有害物質や粉末・粉じんを局所的に外部へ排出する装置です。

装置を設置すると有害物質などを即座に吸引・清浄できます。

そのため、作業場で働く方の人体への影響や外部の環境汚染などのリスクを下げるのに効果的です。

局所排気装置の設置が義務付けられる例として、金属加工で発生する粉じんが挙げられます。

グラインダーやバフ盤で研磨する際に粉じんが発生しますが、長期間吸入し続けると肺に負担がかかるだけでなく、「じん肺」という病気にかかる恐れも。

また、木材加工や塗装の現場で使用されるシンナーなどの有機溶剤なども人体に悪影響を及ぼします。

これらの人体への影響を最小限に抑えるために、労働安全法で局所排気装置の設置が義務付けられているのです。

有害物質や粉じんが大量に発生する業種の企業は、必ず局所排気装置を導入しましょう。

局所排気装置の点検とは


局所排気装置は、労働安全衛生法により1年に1度の点検が義務付けられています。

この章では、以下の項目にそって局所排気装置の点検について解説していきます。

  • 局所排気装置を点検する目的や背景
  • 局所排気装置の点検事項
  • 局所排気装置を点検する方法

局所排気装置を点検する目的や背景


局所排気装置を点検する目的の例を見ていきましょう。

  • 法令の遵守
  • 故障の早期発見
  • 動作の確認
  • 環境保全

局所排気装置の点検は労働安全衛生法や大気汚染防止法などの法令で義務付けられています。

局所排気装置は長期間動作し続けていると劣化が進み、有害物質や粉じんが正しく除去できなくなっている可能性があるためです。

劣化の進行は正しい動作を妨げるだけでなく、故障の原因にもなりかねません。

また、局所排気装置が正しく動作していないと、作業場だけでなく外部の環境にも悪影響を与えてしまいます。

これらの目的や背景を理解し、局所排気装置の点検を年に1度必ず実施しましょう。

局所排気装置の点検準備・点検項目

局所排気装置の点検項目の一例を、厚生労働省の「局所排気装置の定期自主検査 の定期自主検査指針 」を参考に見ていきましょう。

必ず準備すべきもの

  • テスター(スモークテスターなど)
  • 風速系
  • 温度計
  • スケール
  • 抵抗系
  • 聴音器
  • 工具一式

必要に応じて準備すべきもの

  • 微差圧計
  • ハンマー
  • 振動系
  • ガス濃度測定器
  • 回転系 など

点検項目

フード部

  • フードの構造が保たれているかをスケールで検査
  • フード内外の摩耗・腐食・くぼみがないか
  • フード内外の塗装・コーティングの損傷がないか
  • フード内が異物により閉塞していないか・堆積物がないか
  • 塗装用ブースなどのフィルターが正常か

ダクト部

  • ダクト内外の摩耗・腐食・くぼみがないか
  • 空気漏れがないか
  • 塗装・コーティングの損傷がないか
  • 空気の流れに関係する変形はしていないか
  • ダンパの状態は正常か
  • ボルト・ナットが緩くなっていないか
  • 点検口の状態は正常か

ファンおよび電動機

  • 安全カバーが腐食や破損していないか
  • 回転方向は正しいか
  • 異常な騒音を発していないか
  • 塗装等の損傷がないか
  • ベルトは損傷していないか
  • 軸受の状態は正常か
  • 電動機の絶縁抵抗は十分に高いか
  • 制御盤の表示等が球切れしていないか
  • 制御盤の作動不良がないか
  • 吸気能力・排気能力は基準をみたしているか

装置全体では、主に構造に問題がないか・摩耗や腐食がないかを点検します。

また、装置内外に粉じんや有機溶剤などの物質が溜まっていないか・付着していないかも点検項目です。

これらの点検基準を満たすためには、安全な範囲での清掃や整備をする必要があります。

点検事項を理解し、普段の動作状況にも問題がないか確認しておきましょう。

局所排気装置を点検する方法

局所排気装置の点検手段の確保は、計画的な点検のために大切です。

「委託先が見つからず点検が遅れてしまった」
「必要な資格を取るために予想以上に時間がかかってしまった」

このような不測の事態に備えるためにも、局所排気装置の点検手段について考えておかなければなりません。

局所排気装置の点検をする手段は次が挙げられます。

  • 自主点検
  • 外部委託

局所排気装置の自主検査をするには、専用の講習を受けた証明が必要です。

これらの要件を初めて満たして、初めて局所排気装置の点検が可能になります。

しかし、社内に資格をもった方がいない場合・資格を取る時間がない場合も考えられます。

その場合は点検代行が可能な企業への委託でも点検が可能です。

「局所排気装置定期自主検査者」の有資格者が在籍する企業へ委託しましょう。

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局所排気装置は1年に1度の定期点検を忘れずに


今回は、局所排気装置の点検について解説してきました。
内容についておさらいしていきます。

局所排気装置とは

  • 有害物質を外部に排出するための装置
  • 装置の設置により事故や病気のリスクを抑えられる
  • 労働安全衛生法で設置が義務付けられている

局所排気装置の点検

  • 年に1度の点検が法令で定められている
  • 故障の早期発見や動作確認・環境保全の目的がある
  • フード部・ダクト部・ファン部などで検査項目が設定されている
  • 点検をするには、資格と要件を満たすものが検査をする必要がある
  • 社内で要件を満たせない場合、点検代行が可能な企業に委託する方法もある

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局所排気装置の点検は、法令を守るだけでなく従業員を守るためにも大切です。
年に1度の点検の義務を必ず守れるよう、環境や制度を整えていきましょう。

最終更新日:2023.05.24