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塗料と塗装の基礎ガイド

下塗り剤の重要性|塗料と塗装の基礎ガイド⑤

外壁塗装における下塗り剤(プライマー・シーラー)は、単なる下地処理ではなく、上塗り塗料の性能を最大限引き出す基盤です。
上塗りにラジカル制御型塗料を使用しても、下塗りの密着性や膜厚が不十分だと、塗膜寿命や仕上がりに影響します。下塗り剤の適正選定と施工管理が仕上げ品質の鍵となります。

■ 下塗り剤の種類と特長

1. シーラー(浸透・密着性重視)

  • 旧塗膜や多孔質下地への浸透・密着性を向上
  • 吸水性を調整し、上塗り塗料の膜厚を均一化

2. フィラー/パテ系下塗り

  • 旧塗膜の凹凸や微細ひび割れを補修
  • 上塗り塗料の塗膜厚確保に貢献

3. 防錆・金属用下塗り

  • 金属面の錆を抑制
  • 樹脂・塗料との密着性を高める


■ 下塗り剤選定のポイント

  • 下地の種類(モルタル・ALC・金属・既存塗膜など)に応じた選択
  • 下地の劣化状況の確認
  • 上塗り塗料との適合性(ラジカル制御型・シリコン系・フッ素系など)
  • 膜厚と塗布回数の計画

■ 施工上の注意点

  • 下塗り材の攪拌・希釈・塗布量の管理
  • 乾燥時間と温湿度条件の影響に配慮
  • 素地処理(ケレン・高圧洗浄・吸水調整)を丁寧に
  • 上塗り塗料の性能を引き出す塗り順と膜厚管理

■ 代表的下塗り材の紹介

  • ニッペ パーフェクトプライマー
    • 吸い込みの激しい新規下地や旧塗膜改修に適し、上塗りとの密着性を確保
  • ニッペ パーフェクトフィラー
    • 外壁の凹凸や軽微なひび割れを補修し、均一な塗膜厚を実現

これらの下塗り剤を適切に選択することで、上塗り塗料の耐候性や光沢保持性が長期間安定します。

■ 下塗り剤が仕上がりに与える影響

  • 密着性不足 → 塗膜剥離、チョーキングの原因
  • 塗膜厚の偏り → 光沢ムラ、耐久性低下
  • 適切な下塗りで上塗り塗料の性能を引き出す

■ まとめ

下塗り剤は、塗膜性能を支える「土台」として、施工品質と耐候性に直結します。
現場では、下地や上塗り塗料に応じた下塗り剤の選択と、膜厚・乾燥管理の徹底が不可欠です。
次回は「上塗り塗料の膜厚設計と仕上げ品質管理」をテーマに、施工管理のポイントをさらに掘り下げます。

最終更新日:2025.11.13