外壁塗装における下塗り剤(プライマー・シーラー)は、単なる下地処理ではなく、上塗り塗料の性能を最大限引き出す基盤です。
上塗りにラジカル制御型塗料を使用しても、下塗りの密着性や膜厚が不十分だと、塗膜寿命や仕上がりに影響します。下塗り剤の適正選定と施工管理が仕上げ品質の鍵となります。
■ 下塗り剤の種類と特長
1. シーラー(浸透・密着性重視)
- 旧塗膜や多孔質下地への浸透・密着性を向上
- 吸水性を調整し、上塗り塗料の膜厚を均一化
2. フィラー/パテ系下塗り
- 旧塗膜の凹凸や微細ひび割れを補修
- 上塗り塗料の塗膜厚確保に貢献
3. 防錆・金属用下塗り
- 金属面の錆を抑制
- 樹脂・塗料との密着性を高める
■ 下塗り剤選定のポイント
- 下地の種類(モルタル・ALC・金属・既存塗膜など)に応じた選択
- 下地の劣化状況の確認
- 上塗り塗料との適合性(ラジカル制御型・シリコン系・フッ素系など)
- 膜厚と塗布回数の計画
■ 施工上の注意点
- 下塗り材の攪拌・希釈・塗布量の管理
- 乾燥時間と温湿度条件の影響に配慮
- 素地処理(ケレン・高圧洗浄・吸水調整)を丁寧に
- 上塗り塗料の性能を引き出す塗り順と膜厚管理
■ 代表的下塗り材の紹介
- ニッペ パーフェクトプライマー
- 吸い込みの激しい新規下地や旧塗膜改修に適し、上塗りとの密着性を確保
- ニッペ パーフェクトフィラー
- 外壁の凹凸や軽微なひび割れを補修し、均一な塗膜厚を実現
- 外壁の凹凸や軽微なひび割れを補修し、均一な塗膜厚を実現
これらの下塗り剤を適切に選択することで、上塗り塗料の耐候性や光沢保持性が長期間安定します。
■ 下塗り剤が仕上がりに与える影響
- 密着性不足 → 塗膜剥離、チョーキングの原因
- 塗膜厚の偏り → 光沢ムラ、耐久性低下
- 適切な下塗りで上塗り塗料の性能を引き出す
■ まとめ
下塗り剤は、塗膜性能を支える「土台」として、施工品質と耐候性に直結します。
現場では、下地や上塗り塗料に応じた下塗り剤の選択と、膜厚・乾燥管理の徹底が不可欠です。
次回は「上塗り塗料の膜厚設計と仕上げ品質管理」をテーマに、施工管理のポイントをさらに掘り下げます。
