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塗装現場の安全・労災ハンドブック

安全は全てに優先する-今日からできる基本の安全管理|塗装現場の安全・労災ハンドブック①

塗装現場の安全・労災ハンドブック|第1回

“安全はすべてに優先する”——今日からできる塗装現場の基本安全管理

塗装工事は、建築塗装の品質を左右するだけでなく、高所作業・足場作業・溶剤取り扱いによる危険が常に存在します。
本シリーズでは、現場で今日から実践できる塗装現場の安全対策労災防止の基本を、現場の視点でわかりやすく解説します。
第1回は「基本の安全管理」。労災リスクを確実に下げる“塗装作業の基礎安全ルール”をまとめました。

1. 朝礼で必ず共有するべき3つのポイント

① 今日の作業内容と担当者の確認

塗装現場では、作業手順の共有が安全の第一歩です。
・誰がどの場所で作業するか
・足場上の塗装作業と他業種の動きが交錯しないか
これらの曖昧さは安全事故や作業ミスの原因となります。

② 危険箇所とリスクの事前共有

朝礼時に危険予知(KY活動)を行うことで、現場の労災リスクを大幅に減らせます。
・滑りやすい足場
・段差、狭小部の通路
・前日の雨で濡れた部位
“見つけた危険を全員で共有する”文化が事故減少に直結します。

③ 天候と現場環境のチェック

・風速や気温
・湿度や塗料の乾燥条件
気象条件は塗装 品質にも安全性にも影響するため、毎日のチェックが必須です。

安全

2. 基本動作の徹底が事故を減らす

● 足場では“3点支持”を徹底する

足場作業の安全対策として、常に「手足3点支持」で移動する習慣は非常に効果的です。
転落事故防止の基本中の基本であり、塗装業界全体で推奨されています。

● 指差し呼称(声出し)の習慣づけ

・安全帯・ハーネスの着用確認
・電源や機械のオフ確認
・可燃物、シンナー周辺の確認
指差し呼称は建築塗装の安全管理において、もっとも導入しやすい労災防止行動です。

● 保護具は「正しく着ける」ことが重要

ヘルメット、安全帯、防じん・防毒マスクなどの保護具の正しい着用は、作業者の生命を守る基本動作です。
“着けているつもり”ではなく、“正しく装着できているか”が重要です。

3. ヒヤリハット共有で現場の安全レベルを底上げ

ヒヤリハットの具体例

・足場階段でローラーが転がった
・ウエスが風で飛び、車に当たりそうだった
・シンナー缶のキャップが緩み、こぼれかけた
こうしたヒヤリハット情報を共有し改善すれば、塗装現場全体の安全性は大きく引き上げられます。

4. 安全は“会社の文化”がつくる

企業全体で取り組むべき安全管理

・事故ゼロや安全意識の高い職人を評価する仕組み
・危険を見つけた人をポジティブに評価する文化
・安全装備や教育に投資を惜しまない姿勢
安全文化の醸成は、品質向上や顧客満足にも直結します。

まとめ:安全対策は塗装現場の最強のコスト削減策

労災が発生すれば、工期遅延、補償対応、信頼低下など企業に大きな負担がかかります。
しかし、日々の安全管理の徹底により、事故を防ぎ、作業効率と塗装品質を同時に高めることができます。

「安全はすべてに優先する」——この言葉を胸に、毎日の塗装作業に取り組みましょう。

最終更新日:2025.12.03