「局所排気装置を設置しなければならないが、法令に関することがよくわからない…。」
「さまざまな法令があるが、結局何が重要…?」
このような悩みを持つ方も少なくないのではないでしょうか。
局所排気装置は、稼働条件や性能・点検について労働安全衛生法をはじめさまざまな法令の遵守が求められます。
法令について理解しないまま稼働していると、法令違反になるだけでなく思わぬ事故を招く恐れも。
この記事では、局所排気装置に関する法令や、特に重要なポイントについて解説します。
局所排気装置に関する法令
局所排気装置に関する法令について、次の項目で解説していきます。
- 労働安全衛生法
- 大気汚染防止法
- 有機溶剤中毒予防規則
- その他の法令
基本の法令は「労働安全衛生法」となりますが、自然環境や労働者の安全を保つためさまざまな法令があります。
局所排気装置を設置する必要のある業種の方は、それぞれの現場に適応する法令を理解しておきましょう。
1.労働安全衛生法
労働安全衛生法は、局所排気装置に関する法令の中でも基本精神となる内容が記載されている法令です。
内容を一部抜粋します。
第一条
この法律は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。
労働安全衛生法は、労働者の安全を確保するために多くの条項が定められている法令です。
局所排気装置に関する条項は以下があります。
第八十八条
事業者は、機械等で、危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、厚生労働省令で定めるものを設置し、若しくは移転し、又はこれらの主要構造部分を変更しようとするときは、その計画を当該工事の開始の日の三十日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない。
局所排気装置を設置・移転または構造の変更をする際は労働基準監督署へ指定の書類を作成し届け出る必要があります。
必要書類や届出に関する詳しい内容は次の記事をご覧ください。
局所排気装置の性能・点検については他の法令にて定められています。
労働安全衛生法は「労働者の安全を守るためのもの」に重要な法令です。
局所排気装置を保有する業種の方は必ず理解しておきましょう。
2.大気汚染防止法
大気汚染防止法は大気に有害物質を排出する可能性がある事業者に対して、都道府県が定める法令です。
第一条を次に示します
第一条
この法律は、工場及び事業場における事業活動並びに建築物等の解体等に伴うばい煙、揮発性有機化合物及び粉じんの排出等を規制し、水銀に関する水俣条約(以下「条約」という。)の的確かつ円滑な実施を確保するため工場及び事業場における事業活動に伴う水銀等の排出を規制し、有害大気汚染物質対策の実施を推進し、並びに自動車排出ガスに係る許容限度を定めること等により、大気の汚染に関し、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、並びに大気の汚染に関して人の健康に係る被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図ることを目的とする。
特定の業務によって有害物質が発生する可能性がある場合に、周辺の住民や自然環境に害を及ぼさないために定められています。
大気汚染防止法に関するものとして、「大気汚染防止法施行規則」「大気汚染防止法施行令」があります。
大気汚染防止法の対象となる有害物質についてさらに記載されている省令・政令になるためこちらも把握しておきましょう。
それぞれの法令で定められている規制物質や排出基準については、下のサイトに細かく記載されています。
局所排気装置は、労働者の安全を保つためだけでなく、周辺の自然環境や住民の健康を保つためにも重要な装置です。
大気汚染防止法についても深く理解しておきましょう。
3.有機溶剤中毒予防規則
この規則は、労働安全衛生法に基づき有機溶剤の中毒を防止するための法令です。
業務で有機溶剤を使用する際の消費量や、局所排気装置が求められる性能について記載されています。
一部引用し解説します。
上の表は、屋内の作業において1時間に消費する有機溶剤の上限が示されているものです。
これを超える有機溶剤を屋内で消費した場合、局所排気装置の有無に関係なく法令違反となります。
局所排気装置の形状と求められる性能
引用:有機溶剤中毒防止規則(e-GOV 法令検索)
上の表は、局所排気装置の形状別で求められる性能が示されている表です。
局所排気装置はさまざまな種類があるため、それぞれで求められる要件が異なります。
意図しない有機溶剤等の中毒は労働者に大きな影響を与えます。
労働者の中毒事故を防ぐために、有機溶剤中毒防止規則を理解しておきましょう。
4.その他の法令
局所排気装置に関する法令は、これまでに解説したもの以外にも多くあります。
下記に例を挙げます。
- 特定化学物質障害予防規則
- 鉛中毒予防規則
- 粉じん障害防止規則
特定化学物質障害予防規則は、化学物質を扱う業種に対し局所排気装置の設置義務や徐じん処理について記載されている法令です。
鉛中毒予防規則は、名前の通り鉛中毒を予防するための規則が示されています。
粉じん障害防止規則も同様、局所排気装置の要件などが定められています。
参考:
これらは全て労働安全衛生法に基づき、労働者の安全を保証するために定められている法令です。
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局所排気装置の法令を理解して安全な環境を目指そう
今回は、局所排気の法令について解説してきました。
記事の中で紹介した法令の一覧についておさらいしていきましょう。
- 労働安全衛生法
- 大気汚染防止法
- 有機溶剤中毒予防規則
- 特定化学物質障害予防規則
- 鉛中毒予防規則
- 粉じん障害防止規則
局所排気の設置について、法令の全ての要件を満たす必要がありますが、全ての法令を把握することは困難です。
そのため、専門家や外部業者への委託も視野に入れておきましょう。