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局所排気装置とは?設置の必要性や届出について解説

更新日 2023.07.26

塗装・製造業の方や、薬品などを扱っている・もしくはこれから扱う必要がある事業者の皆さんは、局所排気装置について正しく理解できていますでしょうか。

法令を守るだけでなく、人や環境を守るためにも必要不可欠な装置です。

この記事では「局所排気装置とは何か」そして「どのような届出が必要か」を解説していきます。

1年に1度の定期自主点検についても解説しますので、最後までご覧ください。

局所排気装置とは?

排気装置
局所排気装置とは換気装置の一つであり、局所的に発生する人体や環境に有害なガス・粉じん・薬品などを外部へ排出する装置です。

他の換気装置として「プッシュプル型換気装置」が挙げられます。

作業内容や使用する物質に合わせて適切な換気装置の選択が大切です。

この章では局所排気装置について、種類や具体的な機能・要件について解説していきます。

局所排気装置の種類

局所排気装置はフードの形状によって3つの種類に分類されます。

・囲い式フード

・外付け式フード

・レシーバー式フード

囲い式フードは有害物質の発散源を囲うことで外部の気流の影響を受けにくく、小さい風量で最も効率的に排気できるフードです。

粉砕や混合、攪拌といった基本的な作業はもちろん、ふきつけ塗装などの作業にも対応しています。

外付け式フードは、有害物質の発散源の周囲に吸い込み気流を作ることで排気する形のフードを指します。

作業箇所の外部にフードがあるため、めっきや洗浄溶解、砂落としなどにも対応可能です。

しかし、囲い式に比べて外部の気流の影響を受けやすく、周りの空気も合わせて吸引する必要があるので必要な風量も大きくなります。

レシーバー式フードは上昇気流や作業による回転によって、自然に有害物質がフードへ吸い込まれる場合に使用されるフードです。

グラインダーを使用する研磨や鋳造などといった作業に適しています。

使用する薬品や溶剤が空気より比重が重いと効果が期待できない点に注意が必要です。

局所排気装置には多くの種類があり、作業によって適した形状の装置を選ぶことが大切です。

機能や要件も形状によって異なるため、次の章でより詳しくみていきましょう。

局所排気装置の機能や要件について

局所排気装置の主な機能は下の2つが挙げられます。

・吸引・排気

・有害物質を含む空気の清浄

局所排気装置は有害物質の吸引と外部への排気が主な機能です。

吸引に必要な性能は装置の形状によって異なり、法令によって以下のように定められています。

特化則(特定化学物質障害予防規則)による定め:
ほとんどの場合、使用する薬品の抑制濃度によって定められている。

局所排気装置を設置する際や点検時には、これらの要件を満たしているかを正確に計測する必要があります。

また、局所排気装置を含む全ての換気装置は、環境保護の目的から有害物質を外部に排出することが禁止されています。

空気の浄化装置やフィルターを通して排気する必要がある点にも注意が必要です。

局所排気装置の機能や要件について知ることで、法令遵守にもつながることを意識しましょう。

局所排気装置の必要性

ここまで局所排気装置の機能や要件について解説してきましたが、改めて必要性について見ていきましょう。

局所排気装置の必要性について理解しておくと、作業者への意識づけや管理の徹底に繋がります。

今回は下の2つの内容で解説していきます。

・作業者の健康を守るため

・大きな事故を防ぐため

作業者の健康を守るため

有害物質が発生する作業場では、作業者の健康管理を徹底する必要があります。

劣悪な環境で作業をしていると目に見えない物質が知らずのうちに人体に影響を及ぼしていることも少なくありません。

揮発性の高い有機溶剤から作業者を守るためには、局所排気装置を正しく稼働させることが求められます。

また、作業現場だけでなく、屋外の環境を保つためにも局所排気装置は必要です。

有害物質を浄化せず外部に排気してしまうと、周辺の生活区域にも影響を及ぼす可能性があります。

環境と健康を守るためにも、作業に使用する物質の危険性や局所排気装置の必要性について理解しましょう。

大きな事故を防ぐため

作業で扱う物質の中には、可燃性のものや特定の条件で固形化する薬品などもあります。

正しく排気されていないと、爆発や火災、機器の故障を引き起こし、大きな事故につながることも。

作業者や周辺の安全を確保するためにも、局所排気装置について正しく理解しましょう。

局所排気装置設置における届出


局所排気装置を設置する際には、多くの届出を準備する必要があります。

「届出が必要な場面」「届出に必要な書類」の2つについて確認していきましょう。

届出が必要な場面

・局所排気装置を設置する場合

・局所排気装置を移転する場合

・局所排気装置の構造を変更する場合

これらに該当する場合、工事開始の30日前までに労働基準監督署に届け出ることが義務付けられています。

届出に必要な書類

・建設物・機械等設置・移転・変更届

・局所排気装置適用書

・局所排気装置概要図

・ダクト系統図

・圧力損失計算書

・排気ファン図面および性能曲線図

・作業場所の平面図

・所在地の案内図

これらの書類の中には、局所排気装置の販売業者に作成を依頼しなければならない書類もあります。

そのため、届出の際には計画性も大切です。

どの場面で届出が必要になるのか、必要な書類は何かを正しく理解し、漏れのないように準備しましょう。

局所排気装置の定期点検について

局所排気装置を設置した後は、1年に1度の定期点検が義務付けられています。

定期点検で確認される事項は以下の通りです。

・フード、ダクト、ファンの摩擦、腐食、くぼみその他損傷の有無およびその程度

・ダクトおよび、排風機における塵埃の堆積状態

・排風機および送風機の注油状態

・ダクトの接続部における緩みの有無

・電動機とファンを連結するベルトの作動状態

・吸気、送気および排気の能力

・以上のほか、性能を維持するため必要な事項

定期点検を実施しないことは法令違反であることに加え、作業者の健康や安全を害してしまう恐れもあります。

点検についての意識も高く持つことで、より安全で安心な作業環境を実現しましょう。

点検項目について詳しく知りたい方はこちら↓

局所排気装置の点検とは|点検の目的や点検項目についても解説

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局所排気装置の必要性について理解し、安全・安心な作業環境を保とう

今回は、局所排気装置とは何かや必要性・届出について解説しました。

改めて内容をおさらいしましょう。

局所排気装置とは

・囲い式・外付け式・レシーバー式の3種類がある

・必要最低限の機能が法令により定められている

局所排気装置の必要性

・作業者の健康を守るため

・大きな事故を防ぐため

局所排気装置を設置する際の届出について

・設置だけでなく、移転や構造を変更する場合にも届出が必要

・書類の中には販売業者に作成を依頼しなければならないものもある

局所排気装置への理解は、法令遵守と作業環境の保全に強く結びつきます。

定期点検についても正しく理解するようにしましょう。