スタッフブログ
ハシブログ。。。。。。 Vol.9
2013年12月05日
皆様ご無沙汰しておりました。
約5ヵ月ぶりのハシブログ。気が付けばもう9作目となりました。
Vol.1から読み返してみると自分の多趣味っぷりに自分で驚いてしまいます(笑)
そして、今回のブログの内容はハシブログでもちょこちょこ出てくるお祭りネタですが、山車製作に関して貴重な経験をさせて頂きましたので、どうしてもブログで書いておきたいと思った次第であります。
将来的にこのブログを読む事で自分でもその時の事を思い出したりもできますし(シ´ω`)シ
それでは、はじまり、はじまり~ヽ(*´□`)ノ゙
始まりは、お祭り本番も近づく今年の7月に幼稚園教諭の母の一言から始まった、、、
「幼稚園で子供たちに引っ張らせる山車を簡単にでいいから作ってちょうだい!」
突然の事に驚きながらも話を聞いてみると、幼稚園の職員会議で園長先生が、「幼稚園の体験入園とか親子ふれあいデーで小さな山車を子供達に引っ張らせたいんだけれど、橋本先生の息子さん本物の山車を作ってるそうですし、幼稚園の山車の製作お願いできないかしら、、」
と、お願いされ私の母は私の意見も予定も聞かず二つ返事でOKしてきたとの事、、、
しかしながらせっかく声を掛けて頂いた話、断る理由もないし私の出身幼稚園でもある為OBとして何かしたいという気持ちと、そして何よりミニ山車で子供たちに喜んでもらいたい!という気持ちが一杯になり、自分自身もとても張り切ってOKの返事をだしました(笑)
幼稚園の園長先生や、うちの母からは簡単でいいよと言われていたものの自称山車製作のプロとしてやはり、子供たちにしっかりとした山車を引っ張ってもらいたいし、実際に山車を引っ張って動かすとなるとある程度のしっかりとした強度を持った台車も必要だし、何より山車は大きい物。子供たちにインパクト十分な山車を作るには自分一人だけの作業では日数がかかると思い、今回のこの完全ボランティアな山車製作に関して後輩達に話をしたところその考えに賛同してくれた後輩たちが山車組関係なく数名集まってくれました。
実は今回もう一つ狙いがあり、普段一緒に作業することがない複数の他の山車組の若手山車製作スタッフどうしが一緒に一つの山車を製作することで情報を交換しあえたり、お互いに切磋琢磨しあうきっかけになりさらにみんなの技術向上につながればという考えもありました。
最近はけっこう山車製作においての若手後継者育成等もすごく真剣に考えています∩(`・ω・´)∩
作業は、三社大祭の興奮まだ冷めやらぬ三社大祭終了の翌週の8月12日の夜、お盆の連休前夜から始まりました!!!!!
初日は、簡単な図面を自分が書き寸法等を決め後は作業の役割分担を決める等の打ち合わせを行い、本格的な作業は翌日の日中から行いました。
幼稚園用のミニ山車と言っても作る技法は、本物の山車とまったく同じです。
山車の上物の動物等は発泡スチロールを削りながら作ります。
今年のお盆の連休は30度超えの気温が連日続き、日中の山車小屋の温度は40度近かったと思います。。。
そんな中、発泡スチロールの粉にまみれるこの作業はとても大変なのですが、みんな次々に完成させていき、塗装も同時進行で進んでいきます。
台車ですが強度を保ちつつも子供達が引っ張るというのを配慮して骨組みはしっかり組みつつも薄ベニヤ板を貼るなどして軽量化も考えました。
これが、台車のベースです。
ここからどうなって行くのでしょう!?( 艸`*)
台車に綺麗に色のりする為と目止めの為に下地に白を塗ります。
夜になってもトタン壁の山車小屋はかなりの温度の為、塗料の乾きは最高ですが、暑さに耐えきれず脱ぎだすスタッフも(´エ`;)
猛暑の中、日中から夜遅くまでの作業にスタッフの体力消耗も激しくみんなヘロヘロでした(`-д-;)ゞ
しかし、少しづつ形が見えてくると若手スタッフ達のモチベーションも上がり作業にもますます力が入り頼もしい限りでした!
台車は、子供たちの為の山車だからこそ、八戸の山車らしく作りたくて八戸山車によく見られるレンガのような石垣です。
写真では分かりにくいですが、色を塗り分けただけじゃなく、ちゃんと面取りしたカッターボードを1枚、1枚貼り付け立体的に作った力作です!
台車と上に飾り付ける人形や飾りがが出来上がってきたらいよいよ位置決めです。
この作業は、実際の山車製作においても山車の出来具合を決める重要な作業で、人形や飾りを本付けする前に離れた位置から山車を見てバランスを見ながら指示を出す人と、人形や飾りを動かす人に分かれて取り付け位置を納得がいくまで何回も修正します。
この時も、「もう少し左~!」「行き過ぎ!行き過ぎっ!!」「そのまま、そこで傾けて~」てな具合で人形を持ってるスタッフに動かしてもらいながらしっかりとバランスがとれつつ、動きもあるように見える納得がいく配置が決まるまで何回もチャレンジしました。
位置決めが終わったら、人形や飾りを本付けします。
今回は同時進行で台車の上に岩山も組んでいきます。
三社大祭の山車の岩は昔は、竹や藤つるでベースを組みそこに紙を何枚も重ね貼りしくんでいましたが、最近はダンボールで組む岩や発砲スチロールで岩も作るという手法が主流になってきています。
今回は、半抜き材やベニヤ板で組んだ大まかな土台にダンボールで組んでいく今どきの手法での製作です。というか、自分竹編み細工やった事がありません(・∀・;)
八戸でも今、その手法で作れる人は長年山車製作に携わってきた高齢の方がもう数人しかいないと言われています。
この伝統の技法も後世に残しておくためにも自分もいつかは習ってみたいと思います。
話が、逸れてしまいましたがダンボールの岩でも昔ながらの手法で作られた岩と同じに見えるように岩のゴツゴツ感をだしつつさらに、台車からはみ出るように作るのがカッコいい岩山作りの基本です!
ダンボールでの岩の形が出来てきたら、塗装する前に新聞紙を重ねて貼っていき、最後にハトロン紙を貼って仕上げます。この工程は昔のから変わらない工程で、今も昔も山車製作の基本はまず紙貼りからっ!とも言われています。
しわなどがよらないように一枚づつ丁寧に貼って行くのがコツです。
自分も昔、山車製作を始めたころは先輩の方々にびっちり指導されました。
しかし、最近は塗料等の材料の発達や新しい作業技法の登場で紙貼りをしないで作る組も多いようです。
今回作業を手伝ってくれた他の組の若手スタッフ2名は初めての紙貼りとの事でした。
でも、経験させることが出来てよかったです。
台車がある程度形が見えてきたら次は、飾り金具の製作と取付です。
飾り金具とは、神社や仏閣等の柱についている飾りですが、この金具が山車に付くことで山車がグッと引き締まり、さらに一気に豪華絢爛に見えるようになります。
材料のカッターボードを切り取り何枚ものパーツを重ね合わせて作っていきます。
本物の山車には100枚を軽く超える枚数の金具がついていますが、デザインから切り抜き、パーツの組み合わせ、塗装まで全て手作りです!
今回小さい子供達向けの山車という事で上物の人形等カワイイ感じで作りましたが、台車等は本格的に作り込みました。
この部分等で小さいながらも一気に本物感が漂う雰囲気になったと思います。
完成が近づいてきたので、この日は早めに作業を切り上げ、せっかくの連休に毎日、朝から晩まで作業を手伝ってくれるスタッフ達に英気を養ってもらおうと私の実家の庭先でBBQσ(´~`*)ムシャムシャ
お酒も入りいい気分でも話すのは祭りの事ばかり(笑)
みんなお祭り大好きなんですね~
作業も終盤!
この頃には、細かいパーツの取り付けや微調整等仕上げの作業になってきているのですが、山車製作が大好きなメンバーで集まって作業しているとみんなのこだわりが凄すぎて、追加の作業がどんどん出てきます、、、、
実は、当初6日間のお盆の連休中に完成の予定でしたが、それが原因で連休明けても普通にみんなで仕事終わってから作ってました(笑)
しかし、週末日曜日には幼稚園に納めなくてはならない焦りで、平日にも関わらず夜を徹した作業になって行きます。
三社大祭が終わってからすぐにミニ山車の製作が始まったんでみんな、ほんとにノンストップで山車を作り続けている状態です(〃ω〃)
ギリギリ8月24日の夜についに完成!!
正面の欄干もついて山車らしくなりました。欄干ももちろん木で手作りですっ!
山車の見返しもしっかりと作りました。
やはり、八戸山車の岩山には滝の組み合わせという事で後ろ側は滝です。
何とか間に合った完成に安心しつつ明日の搬入に備えて準備をしようと山車を外に出そうとしたところで問題発生っ!!!!!!
ミニ山車自体を大きく作り過ぎて本物の山車を外に出さないとミニ山車も外に出せないという状況に、、」、
実は、翌日の幼稚園搬入時もミニ山車が大きすぎて幼稚園の入口から入らず、現地で少しバラしてから搬入しました(笑)
この日の為に会社からトラックを借りていたのですが、山車小屋から幼稚園からの道中は道行く人たちに注目の的でした(*´Д`*)
幼稚園のホールに納めた後、綱と題名等の札をつけてこれでホントの完成です!
山車の題材は猿蟹合戦です。題名は子供達にも分かりやすいように「さるかに合戦」としました。
三社大祭は、子供たちが主役のお祭りです。
最近の山車は、歌舞伎や神話などの難しい題材も多いのですが、昔の山車はおとぎ話等も多く、子供たちが悪いことをしたときには、山車の場面で「あの山車の猿みたいに罰が当たるよ!」みたいにして子供たちに善悪の良し悪し等教えたと言います。
さるかに合戦は動物がたくさん出てくるので子供たちが喜んでくれるかなと思ったのとちゃんと悪いことをすれば必ず悪いことは返ってくるんだよという戒めにも使えるようこの依頼を受けた時に題材は決めていました。
山車は、子供たちにとても人気だったようで毎日朝から子供達が山車の前に集まり、山車を引きたい子供達で引っ張りだこだったようです。
あまりの人気ぶりに当初予定していた幼稚園だけではなく、同じ系列の他の幼稚園の行事でも使いたいと依頼を頂き最終的に、3つの幼稚園と同じ系列の大学の学際でも展示となりました。
今回、製作した山車を引っ張ったことで子供たちが少しでもお祭りに興味を持ってくれたり、この中から将来の山車製作者の卵が出てきてくれたらな~と思いながら、今回この子供たちの笑顔が見れて作業は休日返上でとても大変でしたが、それを上回る充実感を実感できました。
また、協力してくれた後輩達の力が無かったらここまでの物は作れなかったと思いますし、自分も今回の作業で初心に戻り作業することができ、みんなにはほんとに感謝です。
今後は、自分の組の山車を作るだけではなく八戸全体の技術向上、若手育成、先達の伝統を受け継ぎ次の世代へ伝えるという活動を自分のお祭り活動の柱に頑張って行きたいと思います!!
最後に、この山車は今後も八戸〇院(〇星)系列の行事やイベントで使って行きたいとの事で寄付という形になりましたので、この先しばらくは大事に使ってもらえそうです!!
もしかしたら、皆さんのお目にかかれる時もあるかもですd(*^v^*)
あと、今回のブログで山車ってこんな風に作ってるんだな~って皆さんに少しでも知って興味をもって頂けたなら幸いです。
どっとはらえ
次のブログ
あたし、床屋さんじゃないよ!前のブログ
はじめての大人の国